希少価値の高いふぐの子糠漬け・粕漬けは、ゴマフグの卵巣を塩漬けにし、さらに糠で1年漬け込み毒を分解した珍味。身が厚く引き締まったふぐを厳選し、白山を源とする手取川の伏流が豊富に湧き出る自噴泉を使います。北陸の陽だまりを受けて日干しされたふぐは、豊沃な稲作地帯の美川の米糠・酒粕に漬け込まれ、ひたすらその醗酵に大切な役割を果たし、この地方ならではの独特の風味をもたらしてくれます。
樽の中は醗酵状態。香ばしい糠、まろやかな粕の奥深い味。手作りの持つ深い味わいがしみ込んでいます。
木の樽にすることで呼吸をするのです。その証拠に中の糠が染み出てるのがわかります。しかし今ではこの樽を作る人も少なく、悩みの種だそうです。石川県美川町はふぐの糠漬け・粕漬けの老舗が並ぶ町。安久さんは創業100年以上の老舗です。安久のふぐの糠漬けは、和倉の有名老舗旅館などにも出されています。
百選委員会のアドバイスをもとに「日本百選」が選びました。